11月16日(土)はさわやかに晴れた気持ちのいい日になりました。池谷陽子さんのお話会にはたくさんの方たちそして子どもたちがいらしてくださいました。お話会は、陽子さんが絵を描かれた『つきよのさんぽ』の作者、安江リエさんの絵本の朗読にはじまり、北海道宗谷での牧場生活のお話をたくさん聞くことができました。一日7回牛舎と家を往復して、エサやりをしたこと、冬は子どもをおくるみにくるんでおんぶして、牛舎を往復するときなど、ものすごい寒さで、子どもが凍えてしまったかと心配したこと、胸までの雪をかきながら牛舎を往復したこと、冬の宗谷での牧場暮らしは、死と隣り合わせのくらしであったこと、でも牛や羊やにわとりや犬や猫と二人の子どもたちとの暮らしは、若かったころのことでもあり、楽しかったということです。宗谷、オホーツク海のほとりの牧場は音楽かと思うくらい風の音が聞こえていたそうです。むかし私が牧場をおじゃましたときも、夜、吹きすさぶ風の中を、背中を丸めて牛舎へ向かう旦那様の後ろ姿が目に焼きついています。『だいすきセレスティア』の主人公、牧場にいた年取った牛のセレスティアはあったかくて、子どもや動物たちがそこで寝ていても、セレスティアはうるさがることもなく、じっとしていた、年取ったやさしいおばあさん牛だったそうです。
お話のあとはお待ちかね、エプロンシアターの始まり。子どもたちも2階の子ども室から下のギャラリーに下りてきて、みんなで楽しみました。まずは『はらぺこあおむし』前に座った子どもたちは青虫が食べる食べ物のあてっこに夢中で、声を出していました。次は『おばけりんご』そして『ひよこのかずはかぞえるな』。子どもたちの興味はとぎれることなく、大きな拍手のもとにシアターは終わりました。ときどき忘れ物をしたり、ちょっと言いよどんだりの陽子さんのシアターは、さすが陽子さんの登場人物の造形+「陽子さん」という味わいが加わって、子どもも大人もたっぷり楽しませてくれました。
その後、陽子さんの娘さんの雅子ちゃんがつくったかわいいクッキーと、コーヒーなどお好きな飲み物を召し上がって、陽子さんを中心に歓談しました。あたたかさがいっぱいのお話会でした。子どもたちは再び二階にあがって、恒例の「ぐりぐらかるた」に熱中。子ども部屋は今回もいねこ先生と六ちゃん先生が絵本や遊びでみんなを楽しませてくださいました。
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