西村繁男展の2週目は、気持ちのいい晴れた日で、テラスにでると、みかんの花の香りが、風に乗って甘く香ってきました。昨日はおなじみの方々が来てくださって、久しぶりにお会いできてうれしかった。今日は小学4年生と小学一年生の女の子たち3名が知り合いのご夫婦といっしょに、みんなでランチとイチゴがいっぱいの自家製アイスクリームを食べていかれました。子どもたちに展示中の『やこうれっしゃ』の説明をしながら、原画を案内すると「すごいねえ」といいながら興味深げに見ていました。乾千恵さんのお話に西村繁男さんが絵を描かれた『さかなまちゆきでんしゃ』を読むと「これ、幼稚園のとき買ってもらって、うちにあったから、よく知ってるよ」と言っていました。これはタコの子どもが人間のお祭りがおもしろそうだからと、ひとりで町へ行って、お祭りを楽しんだあと、夕方になってどうやって海の家に帰ればいいかわからなくなる面白い絵本です。それから展示中の「あからん絵」にも、うーん、と頭をひねりながら挑戦していました。
食後のおしゃべりのとき4年生の女の子たちが、学校の一年生の子が、畑のものをとろうとしたという話をしていたので『ピーターラビット』のおはなしの最初のいたずらうさぎのピーターがマクレガーさんの畑でレタスやニンジンのごちそうを食べ、マクレガーさんの追跡をかわし、息もたえだえ家に帰りつく絵本を読みましたら、3人そろってうれしそうに聞いてくれました。とくに一年生はすっかりどきどき集中して! ピーターのシリーズにはほかにもたくさん面白いお話があるので、また読んでみたいなと思っています。そのあと5年生の男の子が来て、靴入れに配達されていて、気づかなかった「6月の福音館書店の月刊誌」一式を見つけてくれたので、その中の絵本を一緒に読みました。
絵本『やこうれっしゃ』の原画のそばに貴重な手製本を展示しています。これはこの絵本の編集担当だったSさんが作者の西村繁男さんに自分で制作してプレゼントしたもの。絵本を屏風絵のようにしてはじめからおわりまでをつなげてみられるようにした、見事な一冊です。5年生の男の子といっしょに見ていたら、後ろ見返しのところに、どこをさがしても見当たらない男女の姿の絵があって、ふたりで前に戻って一生懸命さがしたのですが、結局この二人は本文のどこにも描かれてませんでした。絵のタッチも違うし――これはSさんのいたずらにきまってる!という結論になりました。おかげで、楽しかったです。
おととい庭でなったゴールデンオレンジを全部収穫したので、いらした方にはお分けして持って行っていただいています。小さいけれどおいしいですね。その横の甘夏もずいぶんと大きくなってしまったので、収穫して、皮でOさんに教えていただいたレシピでオレンジピールをつくってみました。中身はジャムに。どちらもおいしくできましたよ。
また来週の金・土と「飛ぶ魚」はオープンします。どうぞ西村繁男さんの素晴らしい原画と、楽しい「あからん絵」「あからん絵皿」を見に来てくださいね。いっしょに絵本も読みましょう。
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