先々週ベトナムのハノイに行きました。三泊四日の短い旅でしたが、はじめてのベトナムは興味津々のことばかり。なんというかここに人たちの切れのいい生きるリズムに目を見張りました。あのバイクと車とバスがクラクションを鳴らしながら行き交う道路。人はその間をぬってやっと道路を横断します。お父さんお母さん子ども二人乗ったオートバイ、ハイヒールはいて子どもふたりを前後にのせたお母さん、若者のカップル、みんな恐れることなくバイクをとばし、そしてぶつからない。またお土産物屋さんには安くてかわいい民芸品があって、わたしなんかはつい手にとって見たくなりますが、そんな様子を見せようものなら、店員さんがぴたっと後ろをついて、このスカーフは?このバックは?とおすすめのラッシュです。バンチャン村で陶器を作って販売しているところを訪ねたときは陶器買っても持って行けないね、と口走ったとたん、どこまで日本語を理解しているかわからない定員さんが、さっと食器を重ね紙でくるみ、草を編んだかごに入れ、これで持って帰れる、ぜったいこわれない、と持ってみせる、そのあっという間の手際のよさ。信号が青になれば横断歩道をぼーっとして渡り、あれこれショッピングもゆっくり楽しむ日本人のわたしなどは、もうここでは生き延びられないな、と思います。このきびきびしたキレのよさ! すてきでした。
念願の水上人形劇は期待どおりの素晴らしいものでした。1000年も続いている伝統芸。プールのようになった舞台の水の上で人形たちが踊ったり、つりをしたり、船から落ちて泳いだり。魚たちが水面をぴょんぴょんはねたかと思えば、竜たちがくねくねとのたうちまわり、あげくのはて、口からほんとうに炎をふく、思わずあっと声をあげてしまいました。この人形遣いの技を教える学校もあると聞いて、なるほど、っと納得。最後に人形遣いの人たちが7,8人幕のうしろから現れたときも驚きました。この人たちが幕のうしろで腰まで水につかりながら人形を操っていたのです。(一緒に見た女の子はシンクロみたいに水面下でひとが操っているのかと思った、といっていましたが、ほんと、そのくらい達者な動きをしていました!)
それに加えて素晴らしかったのは、舞台の横の高くなったところに、笛、琴、歌、語りなどの楽士たちがいて、音楽を奏でていて、ライブ演奏と人形劇が一体になっていることでした。
アジアの混沌の中にありつつ、きびきびとした発展の姿を見せてくれたハノイ。フォーも春巻きもコーヒーもみんなおいしかった。コンデンスミルク入りのあまーいベトナムコーヒーを、帰ってから毎日飲んでは、ハノイを懐かしく思い出しています。
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