11月3日(土)2時からは田中清代さんの絵本についてのお話と、ウクレレ伴奏の歌の会でした。いつも来てくださる方たち、小田原からやはりいつもいらしてくださる方たち、田中さんが前に住んでおられた藤野のお友達たち、また東京から来て下さった編集の方たちや作家の方たち、夫君の岩井さんのご実家の方たち、親子連れも何組か来られて、わくわく楽しみな時間が始まりました。
絵本についてのお話では、今まで作られた「こどものとも」の絵本を読んでくださり、『トマトさん』(福音館書店)について、ご自分の気持ちを素直に表現できた作品で、それが今もたくさん読まれていることにつながっているように思うと、言われました。なかなか自分の気持ちを表せなかった自分がすとんと最後素直に表現できたようすがトマトさんに現れているというふうに言われていました。そして『くろいの』(偕成社)についてはこの人は自分の分身と思う・・昔から自分はなんだろう、外から自分は見えないけれど、もし自分を外から見るとその中味はこんなふうに見えるのでは、というのが「くろいの」。見せて下さった学生時代にかかれた試作絵本や、スケッチなどの中にもすでに「くろいの」を思わせる形のものが、たくさん登場していました。また人の暮らしが垣間見られる何気ない家などのある風景にひかれて、よくスケッチをされているそうで、そのようなスケッチも見せて下さいました。
『くろいの』に出てくる民家の庭先や家のようすがていねいに愛情をもって描かれていることや、その家の中の不思議な場所がとてもとても心躍るところだったりする、その秘密が少しわかったような気持ちになりました。絵本の朗読も、お話も田中清代さんの持ち味の、さらっとさわやかな空気とともに笑顔で語って下さって、とてもきもちのいいお話の時間でした。
そして後半は、夫君の岩井俊雄さん(「100かいだてのいえ」などの絵本の作家)もごいっしょに、田中清代さんの作詞作曲の歌をウクレレをひきながら披露してくださいました。きれいな声で歌われる歌は、さりげないことばにこもる気持ちが伝わってきて聞いていると胸がいっぱいになりました。歌の後半はみんなで手拍子をしたり、フィルムケースに小豆を入れたマラカスをみんなでもって歌にあわせたり、「トマトさんの歌」ではさびのところをみんなで歌ったりして、大人も子どもも大満足のひとときになりました。
夕食会では、真鶴からきてくださった方たちも加わり、いろいろな話がとびかいました。昨日から料理の段取りを考えてあれこれ作り続けていた私はといえば、お料理を並べおわったら、なんだかぼーっとしてしまって、みなさんのお話を聞いて、楽しんいるばかりでした。
みなさんがお帰りになられたあと、安江リエさんが持ってきてくださった花火を丹と三人でしました。盛りだくさんのすてきな一日の最後を飾る、秋の花火もきれいでいいものでした。