秋野亥左牟展 準備もう少し!

 一昨日は、秋野亥左牟さんの特集がくまれるNHK日曜美術館の取材がありました。ここしばらくイサムさんの絵本を見たり、絵本制作中にいただいた山のようなお手紙やファックスを読み返したり、先輩たちに知らないことをおしえていただいたりして、ずっとイサムさんのことを考えて過ごしていました。でも、カメラの前で質問に答えていると、言葉の選び方が違う、という気持ちがずっとしていて、しかもいつも通り、ゆっくりとしか話せず、終わった時は、ほんとに疲れ、力不足を痛感しました。だから、本番の時はカットされる可能性大ですが、でも展覧会が始まる前に、こんな形で、今は亡くなってしまった作家の方に想いを巡らす機会が与えられてよかった、と思いました。イサムさんは、ペルーのチチカカ湖で葦舟に揺られて、岸を足でポーンと蹴って向こう側の世界に行けたらいいなあ、と話されていたそうです。あの東日本大震災のあった2011年の11月に、ご家族に優しく、ポーンと蹴ってもらって向こうへ旅立たれました。こんな言葉をのこされて。「未熟な文明を捨てて、豊かな文化をもう一度再生するのです」
 今日の新聞で、1987年生まれの気鋭の経済学者、斎藤幸平さんのインタビューがあり、そこに、「マルクスの資本論の本質は、人間と自然環境の強い結びつきにあることが最近の研究でわかってきました。マルクスは、人間の生活の本質は、自然とのたえざる物質代謝にあると考えていた。」「下からの突き上げによって社会を変える土壌が育ってゆく」とありました。人間中心主義からの脱却を構造的に行うことが、気候変動の対応を求めるグルダさんの言葉の意味するところと連動し、世界の緊急課題であると語る若者の言葉が、秋野さんがずっと考え、求め、語られていたことに繋がるように思いました。
 たぶん今度の日曜美術館の主なテーマは「秋野さんが伝えたかったこと」になるのではないかと予測します。どんなふうに秋野さんが立ち上ってくるのか、とても楽しみです。放映日は以下の通りです。印刷してお配りしたものには時間が間違っていましたので訂正をお願いいたします。
11月24日 朝9時から
12月1日 夜8時から
ぜひ秋野さんに会ってください!



 

ギャラリーカフェ飛ぶ魚

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