7月10日から8月15日までの金曜日、土曜日と、力漲る絵で楽しませてくれた、田島征三展は昨日で終わりました。ちょうど終戦記念日。お昼に、サイレンが鳴り、町での黙祷タイム。80代から90代の方々の新聞の投稿欄のどれもが戦時の子供心にわすれられない記憶を綴ったものでした。80年近くもそれぞれの方々が胸に抱いてこられ、忘れられない重い記憶であることに胸うたれました。
今回の展示をさせていただいた田島征三展の田島さんも80歳。今回の展示絵本「つかまえた」(偕成社)は田島さんの子ども時代、川で魚を捕まえた時の手の感触、胸の高鳴りを、まっすぐに絵と短い文で表現された傑作です。70年以上もの間、ご自分の中にすみついた出来事、色あせることなく輝いているできごとを表現されているーー全て余分なものが削ぎ落とされ、その輝いているできごとだけを、田島さんの筆で、ほらっと、私たちに見せてくれている。そういう表現は、人を動かさずにはいない、本当の力を持っている、と思えます。
前半は雨降りが続いていましたが、8月1日のトーク会を機に、ずうっと晴れ。窓ドア全開の日々。開放感に満たされて夏を味わいながらの、輝く時がいっぱいの田島征三展でした!